建て主の希望は広い土間と縁側があり、建具を開け放てば空間が一つになることでした。春夏秋は障子を引き込み、全面洗い出し土間の玄関がLDKと一体になります。また、LDのガラス戸と主要開口部の障子をすべて引き込むと、室内と屋外は縁側を挟んで連続し、涼しい風が通り抜けます。そして、料理関係の仕事をしている奥様の希望で、ステンレス製のフラットキッチンを採用。背面収納はカウンター下のみで、お気に入りの食器は棚の上に並べます。他にも、足を下ろして書斎的に使える和室。サーフィンから戻った時、桧板張りの浴室に直行できる洗面室の勝手口など、現代のライフスタイルが違和感なく溶け込んだ和風住宅です。
リビングから和室にかけて、柱を立てた庇屋根のある濡縁を回しました。出格子風の布団干しも見えます。京町家や温泉旅館などの風景が好きな建て主の好みに適う和の外観です。
玄関は全面洗い出し仕上げの土間床で、2本の障子を引き込むと、その玄関までがリビングの一部になります。窓前の障子も戸袋に引き込まれ、室内と庭とが一体になります。
"柱や梁が見える真壁の空間。素直に見せることができるのは、間取りと木組み(構造)が整合しているから。
吹抜の手摺、障子などの建具、照明器具や暖簾のデザインが華を添えます。"