お施主様は東日本大震災の被災者の方で、その際に一家の大黒柱である旦那様を亡く
されました。
「亡くなったお父さんと共に生きていきたい」というご家族の強い想いを旦那様の大
切にされていた桧に託し、7寸角の大黒柱として茶の間に採用配置しています。
また、リビングの幅9尺の窓からは太平洋を眺める事ができます。
大切な家族の命を奪った海、それでも海を憎まず海と共に生きたいというご家族の想
いをこの窓から眺める風景として採り入れています。
建築にあたってはお施主様の想いも大切にしながら、地震にもびくともしない、毎日
の生活に安心感を与える家を目指しました。
洋瓦の屋根とバルコニーのラインはそのような重厚感をイメージしています。
また、がっしりとした外観とは対照的に内観は優しさをテーマに取り組んでいます。
例えば広く取った玄関ホールや穏やかな光が差し込む広縁ではお施主様のお子様が
ゆったりと遊んだりお婆ちゃんとコミュニケーションをとるイメージで造り込んで
います。
7寸角の桧の大黒柱
太平洋を眺望できるリビング
穏やかな光が差し込む広縁