自然素材を生かした家づくり

2021.06.18 fri

自然素材をふんだんに使った家づくり

近年では、自然素材をふんだんに使った家づくりを望む方が増えているようです。

住宅を特集しているWEBサイトやインスタグラムを始め住宅雑誌などにも、そのような家の事例が数多くみられます。

ここでは、その自然素材を使った家の特徴や注意点などを解説したいと思います。

自然素材が好まれる理由

家を新築する方にとって、自然素材が好まれる大きな理由のひとつは、そのナチュラルな優しいテイストにあります。

特に、「無垢の木材」などは、その柔らかさで肌触りも良く、小さなお子さんが直接触っても安心の気持ち良い触感があります。熱を伝えにくい木材は温かみもあります。そんな無垢の木を床材に使うことで、裸足で歩いても感じるその温かさと優しさが大きな特徴なのです。

その特徴は、赤ちゃんがハイハイしながらその無垢床の上を動くことで、手足を通して五感も刺激され、その成長に好影響を与えるという説もあるくらい、非常に魅力のある素材です。

そんな無垢材を床だけでなく、建具やカウンター、家具などに使っていくことで同様の効果が得られるので、インテリアとしても非常に人気があります。

また、木材以外でも、内壁などに使う珪藻土や漆喰などの「塗壁」も代表的な自然素材のひとつです。湿気などに無関係のビニールクロスに比べて、珪藻土などには調湿作用があります。湿気の多い日は水分を吸収し、乾燥してくると排出するというその作用によって、部屋の中を気持ち良い状態にしてくれるのです。更に左官屋さんが仕上げる塗壁のテイストも味わいがあって好まれています。

最近は珪藻土クロスなどのような、その効果を持ちつつ、クロスとして手軽に貼れる資材も増えておりますので、ご検討していただければと思います。

そしてこれらの自然素材は、ホルムアルデヒドなどの有害物質を出さないという特徴もあり、より健康的な暮らしを望まれる方にも求められています。

そして、建物の外部にも自然素材は良く使われています。

外壁材としては、シラス台地の材料を左官仕上げにしたり、無垢の板材を外壁の一部に貼っていく手法も増えています。窯業系のサイディングやガルバリウム鋼板のような無機質な建材に比較すると、やはりその落ち着きのあるテイストが、一部の方にとても人気です。

時を経るごとに味わいや風合いを増す自然素材

これら自然素材のもう一つの長所は、「時を経るごとに味わいや風合いを増してくる」ということです。特に無垢の木材は、本来は自然で作られた材料であり、家が完成したときよりも、時間が経つほどに少しずつ独特の風合いを醸し出してきます。逆に新品のときよりも10年後の方がいい感じに見える家もよくあります。

それに対して、工業化製品である新建材は、流行り廃りに影響されやすいということもありますが、完成したときはとても綺麗なのに、年月を経つとだんだんと古臭くなっていく場合がほとんどです。

どちらが良いかは、皆さんの価値観で決めてもらうしかないですが、家はずっと長きにわたり使うものですので、何10年後でも味わいのある素敵な家でありたいものです。

自然素材を使用する場合の注意点

このように、自然素材を使った家は長所がたくさんあるのですが、やはり短所もあります。

まず短所のひとつとしては、工業化製品の新建材と比較すると「自然素材はデリケートな素材」であるということです。

例えば床材などは、柔らかいという特徴が原因で、とがった物や重い物を落としてしまうとキズがつく可能性があるということです。カウンターや家具なども同様で、キズなどに神経質な方は、その扱いについて少々気をつける必要があるかもしれません。

珪藻土なども同様で、ビニールクロスに比べると、キズや汚れが気になるという短所はありますので、そこも注意が必要です。

しかし、その短所も「キズなどはあまり気にしない」という方なら、特に大きな短所にならないかもしれません。

中には、「そのキズも家族との思い出だね」とおっしゃる方もいます。「子供のころ家の柱に身長を刻んでいた」という思い出のある方もいらっしゃるように、キズ自体もその家の思い出として残るところは素敵な考え方かもしれませんね。

また、無垢材は自然の木材ですので、少々のキズなら後でカンナ等で削ればまたきれいに生まれ変わるという点は逆に長所でもあります。

そして、無垢材は水に強くないので、水をこぼして長時間そのままにしているとシミのようになるケースもありますので、水回りに使う場合は特に注意をしてほしいところです。

水をはじくオイルなどを定期的に塗ったりすることで、そういう短所も防げることもありますのでご参考ください。

外壁材も同様で、特に風雨に打たれることで、木材などは劣化の恐れがあります。

対策としては、風雨に強い木材を使うことや、最初の段階でしっかりと処理をすることが大事です。また、それらの処理の仕方によっては、ある程度の定期的なメンテナンスも必要になるケースもありますので、それは最初にしっかりと認識をしておいてほしいですね。

もう一つの自然素材の短所は、やはり、コストアップの要因になるということでしょう。比較対象にもよりますが、工業化製品の新建材である「様々な木を接着剤で貼り合わせ表面をプリントした合板」と、「一枚ものの無垢の床材」とは材料費が違って当たり前です。

また、現場で大工さんが加工する作業などが発生するので、工賃が少々上がるということもコストアップの要因としてあります。

それらも含めてご予算の中で比較検討してみていただければと思います。

自然素材を扱う住宅会社選びのポイント

以上のように、「自然素材」の長所短所をしっかり認識をして、素敵な家づくりを実現していただければと思いますが、あとは、住宅会社選びも気をつけてほしいところです。

このような自然素材の特徴を施工する立場の側から考えると、自然素材はできるだけ使いたくないという住宅会社がいるのもある意味納得できます。

工事原価のコストアップ要因になるわけですし、デリケートな素材であるが故に、職人さんの施工レベルの高さも必要ですし、会社としても普段よりも気を使って施工管理をしなければいけないからです。

特に大手ハウスメーカーやローコストビルダー、建売住宅など、効率化と大量生産をモットーとしている会社では、このような理由でお客様に対して積極的に自然素材を推奨していないのが現実のようです。

自然素材を使った家を建てたい場合は、大手ではなく、逆に地域の小規模の工務店の方が対応が良いかもしれません。

エアサイクルの家を建てる工務店は、このように自然素材を積極的に推奨している会社が多いので、安心して相談してみてはいかがでしょうか。

きっと、一年中心地よい暮らしに自然素材の良さが活かされた、素敵な家づくりが実現できると思います。

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