自分の家づくりに合う信頼できる住宅会社の選び方
(地域工務店・ハウスメーカー・ローコストビルダーそれぞれの特徴)

2021.03.01 mon

これから家づくりをスタートさせる方にとって、「どんな住宅会社に建築をお願いすればよいか」

というテーマはとても重要なことの一つです。

一言で「住宅会社」といっても、その形態や特徴は様々です。

その中から、自分に合う会社を1社だけ選ぶということは、実は簡単ではないことだと思います。

今回はそのヒントになるお話をさせていただければと思います。

住宅会社を大きく分類すると次の3つに分類されます。

①大手ハウスメーカー

②ローコストビルダー

③地域工務店

それぞれに特徴がありますので、まずはこの大きな分類から自分たちの家づくりに合う会社を

絞っていくとよいと思います。

①大手ハウスメーカー

総合住宅展示場にモデルハウスを持って全国展開をしているような有名な会社です。

皆さんも、TVのCM等で名前を聞いたことある会社も多いと思います。

また、お近くの総合住宅展示場でモデルハウスを見学されたことも一度くらいはあるのではない

でしょうか。

工法としては、「木造軸組み工法」や「2×4工法」、「パネルや鉄骨系のプレハブ工法」等様々で、

耐震性などの性能面については一定の品質の高さを売りにしている会社が多いようです。

長所としては、会社の規模が大きく保証制度もしっかりとしていて、且つ、社名が広く知れ渡っている

という点があります。

この「安心感」という点が、この大手ハウスメーカーの最も大きな特徴ではないでしょうか。

年間に建築している棟数が非常に多いので、「大量生産の強みで効率よく家を建てる」という仕組みが

基本となっています。建材メーカーの既製品が多いので、品質が安定しているという強みの一方で、

逆に「1棟1棟の個別の対応が難しい」という点が大きな短所として挙げられます。

この短所は、デザインや仕様・間取りに対してこだわりを持っている人にとっては、あまり満足できな

い部分かもしれません。

特に、無垢材や塗壁などの職人の手をかける自然素材などは、総じてあまり得意でないようで、こちら

から要望しても対応は消極的です。

間取りについても、自分の要望に叶うプランをにならなかったりという声もよく聞きますし、特に「工

場で多くを作ってきて現場で組み立てる」プレハブという手法の会社では、企画プランがベースになっ

ていて、満足できる間取りにならなかったというケースも少なくないようです。

また、数多い社員の人件費やTVCMなどの広告費が多くかかっていたり、モデルハウスや工場などの

設備投資も多くお金がかかっていることもあり、販売価格は決して安くはありません。「安心を買う」

という意識で価格が高くても気にしないという考えなら良いとは思いますが、コストパフォーマンスは

やはり重要ですよね。

一口で大手ハウスメーカーといえども、会社によって細かい特徴は異なりますので、これらの大きな

特徴をしっかりと認識してから、それぞれの会社を見てみると、これまで見えてこなかった部分も感じ

ると思いますので、参考にしてください。

②ローコストビルダー

「坪単価○○万円から建てられます」というような宣伝文句で広告をしている会社のことです。

「地場ビルダー」と呼ばれるような、それなりの棟数を建てている会社や分譲住宅をルーツに注文

住宅に進出しているような会社、または全国展開の住宅フランチャイズに加盟している会社などが、

この部類に入ります。

基本的なところは大手ハウスメーカーと似ているのですが、更にコスト意識を高く持ち、合理的で

単純化したシステムで家づくりを展開しています。

コストが安いのは理由があります。一般的には目に見えるわかりやすい部分の品質を落とすと売りづら

くなるので、最終的に隠れてしまう部分で質を落としがちです。

もちろん、会社によって様々ですので、見えなくなる部分の性能や品質は、お客様自身でしっかりと

確認する必要があるでしょう。さすがに欠陥住宅というようなことはないとは思いますが、「建築基準

法」ギリギリの性能の家という可能性もありますので、そこはきちんと確認してほしいです。

また、これらのほとんどの会社が「同じような仕様の家を大量に建てる」ことでコストを抑える手法を

取っています。よって当然ですが、それぞれのお施主のこだわりにはなかなか対応できないケースがほ

とんどです。これは大手ハウスメーカーと同様でありますが、コスト重視の点を考えると対応力の無さ

はそれ以上かもしれません。

「家賃を払うのはもったいないから家を購入する、自分の家に対するこだわりはあまりない」という

ような割り切った考えを持っている方であればこれもアリかもしれません。

③地域工務店

地域に根差して経営している、いわゆる「工務店」と呼ばれている住宅会社です。

規模はそれほど大きくはない会社がほとんどで、年間の着工数が2~3棟から多くても20棟未満の会社

がほとんどだと思います。

この分類の会社は社数がとても多いので、その特徴を一言で言い表すのは正直難しいのですが、わかり

やすく言うと「大手ハウスメーカーやローコストメーカーとは真逆の特徴を持つ」という会社が多い

と思います。

つまり、会社規模は小さいので、比較的フットワークが良く、一人ひとりのお施主のこだわりに対する

対応力は高いという強みがあります。基本は自由設計ですので、間取りについてもお客様が納得する

まで対応してくれる会社が多いと思います。

また、大手が不得意な「自然素材」の使い方も得意な会社も多いようです。

コスト面も、人件費も少なく、モデルハウスを持ってなかったり広告費も少ないという会社が多いの

で、基本的なコストパフォーマンスも高いと言えると思います。

ただし、「家づくりに対する基本的な考え方」はそれぞれ異なるので、そこはしっかりと話を聞いて、

本当に安心できる家づくりなのかは認識しておく必要はあるでしょう。

建物の品質や性能などをしっかりと取り組んでいるのか否か、信頼をしても良い会社なのかなどを、

ホームページや実際に担当者の話を聞いたりして確認してみてください。

そして、できればその会社の経営者のお話をしっかりと聞いてみることをお勧めします。

大手と違って、経営者の考えがそのまま家づくりに反映するのもこの工務店の特徴ですので、是非話を

直接聞いてみて、そこに「安心感」を持てるのかの判断材料にしてほしいです。

特に技術的な部分は、大手のようにお金をかけて自社だけで開発するということは基本的に難しいの

で、そこをどう対処しているのかも重要です。

その対応策の例としては、工務店の1社単独では難しいことも、技術的なノウハウを担っている大手

企業とグループを組んでしっかりと連携することで対応しているというケースがあります。

「エアサイクルの家」のグループなどはまさにそういうケースの典型です。

このようなケースでは、家づくりの軸となる工法については「大手企業の安心感のある技術を採用」

し、設計や仕様については「お施主と1対1で打ち合わせをしてオーダーメイド的に作り上げる」とい

う形が実現しています。

「大手の強み」と「工務店の強み」を両方とも生かしたような取り組みが、これによって実現している

というわけです。

いずれにしても、これから家づくりをスタートさせる皆さんは、ご自分のこだわりや考え方に合うよう

な会社を、時間と手間をかけてしっかりと選んでほしいと思います。

その中で心から信頼できる会社を見つけることができたなら、家づくりでやるべきことの半分はそこ

で達成できたのではないでしょうか。

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