明治時代に創業した旅館は東日本大震災による建物被害で惜しまれながらも廃業を余儀なくされました。宮沢賢治が泊った宿としても有名で廃業後も“宮沢賢治ファン”が度々訪れる巡礼スポットとなっています。「惜しまれながらも解体...」と地元の新聞の一面に載るほど地域からの注目度も高く、ご家族の思いの詰まった改築となりました。
増築や修繕を繰り返し当時の原型を失っていました。大正時代の写真を入手し、創業当時をイメージできる外観としました。
賢治が泊ったとされる部屋から見える「街並み」と「五輪峠」の風景は「人首町」という詩にも登場します。『2階からの風景をそのまま残したい』という建て主の強い希望もあり、高さも位置も当時のままで窓を配置しました。
旅館時代の床柱や框を再利用し、モダンを懐かしさを感じられる内装としました。