日本だけではなく海外でも活躍されている声楽家の自宅兼、音楽サロンの建築計画です。
閑静な住宅地に防音性を配慮しながら、音楽を奏でられる場所。特に音の響きを重視した空間設計、材料の選定、サロンのご要望を考慮してご提案しました。
勾配天井でロフトに音が広がる空間形状、床天井には堅く反響音を大きくする楢樫(ナラカシ)の挽板や突板、残響を増やすために所々に配置した陶器タイルの壁、
どこから音を出しても、響きを得られる空間を実現しました。屋外への音の透過を抑えるため、開口部はトリプルガラス、換気方式は機械式一種を採用。
音楽サロンとしての視覚認知を高めるため敷地境界、前面道路には目線を遮らない程度の樹木を配置しサロンと地域が積極的に繋がる事を意識しました。
西洋音楽が生まれた中世から18世紀末までのルネッサンス、バロック音楽。はじめましての感動が生涯を通した楽しみに。お引渡しから観客30人規模の演奏
会を8回開催。日本中から演奏家を招待し、今日も街角から古(いにしえ)の響きがきこえてきます。